ヨスクス

かざましゅんすけさんのことをつらつらと。たまに映画。

12人の怒れる男

言わずと知れた名作のロシア版リメーク。シャンテ・シネ日比谷にて(公式サイト:http://www.12-movie.com/)。
上映時間160分という、ワンシチュエーション・ムービーとしてはありえない尺にもかかわらず、まったく長さを感じさせない映画でした。

パンフレットによると、この作品は脚本に従って順取りをしたらしいですね。そのせいか陪審員たちの心情の変化がよりリアルに感じられ、全編通して程よい緊迫感を得ながら見ることができました。ただ、ロシアの民族問題や経済状況にさほど明るくないわたしにとって、議論の最中に織り込まれるチェチェン紛争の戦場シーンや陪審員たちのリアクションの一部に、いまいち感情が入り込めず置いてけぼりを食らうことしばしば。陪審員たちがたどりついた真相も、日本だったら妄想の域で笑い飛ばされるに違いない(と思いたい)もので、でもそれを真実としてあっさり受け止めている彼らを見て、ロシアの抱える闇の深さを垣間みた気がします。


役者さんは、みなさん総じてすばらしかったのですが、個人的には陪審員1役のセルゲイ・マコヴェツキイ氏と陪審員2役のニキータ・ミハルコフ氏がよかったな。
とくに終盤に見せるニキータ氏の一筋の涙が、ほんとうに重く、深く、悲しく、でもどこか慈愛に満ちているような美しさがあって、「うわあ、この役者さん、すげえ・・・」と驚いていたら、帰り際に読んだパンフレットで彼が本作の監督であることを知り、さらに驚いてしまった。しかも、映像を見た印象でかなり若い監督だと思い込んでいたので、彼が62歳のおじさんであることにまたたび驚いた。
(いろんな意味で)宇宙規模の天才・プルさんといい、ロシアはたくさんの才能に満ちあふれています。



映画鑑賞後、月島にて大学時代の友人7人でもんじゃ焼きパーティー。半分ネタで頼んだピザもんじゃが非常に美味でした。


カザマ氏のうれしい話はまた後ほど。