ヨスクス

かざましゅんすけさんのことをつらつらと。たまに映画。

シリアの花嫁

朝イチで観にいったというのに、まだ余韻が残っています。
シリアとイスラエル。両国家の身勝手なへりくつに翻弄される花嫁とその家族。
国境を越えた花嫁と花婿の愛*1が奇跡を起こすなんてスウィーツな展開が起こるわけもなく、自分ひとりの決断で国境を超える花嫁。そして、そんな彼女を背に、不敵な笑みを浮かべながらその場を立ち去る花嫁の姉。国境を超えた花嫁に訪れたのは悲劇なのかハッピーエンドなのか、何もをわからないまま映画は終わる。けれど、彼女たちの最後の笑みを見るかぎり、男たちにふりまわされることなく、力強く生き抜いてゆくのだろうな。 この映画の登場人物のみなさんは、歴史的背景に翻弄されつつも、そんなに悲観的に生きていない。お父さんもお母さんも、兄弟も、村の人々も、とにかく、今を、しっかりと生きている。まるでユーラシアの雄大な風を浴びているようなさわやかさと、わずかな切なさが残る、そんな映画でした。

*1:そもそも写真でしかしらない2人に愛が芽生えているのかどうか、それすらあやしい