ヨスクス

かざましゅんすけさんのことをつらつらと。たまに映画。

バカ殿

チューボーですよ!薬師寺展に行ったようなことを匂わしていた殿*1
「実はわたしも観に行きました!」と心のなかで訴えたことはまあ置いておいて、同日にハシゴした江戸東京博物館での「天璋院篤姫展」のことを、ふ、と思い出しました。


そこにはほんものの殿が描かれた柿の絵の掛け軸が展示してあったのですが、素人が観ても言葉に詰まる稚拙な筆使いと、その絵を縁どるきらびやかな表装のなんとも言えぬアンバランスに、友人とふたり、無言で立ち尽くしてしまいました。
しかもキャプションには「家定公の純朴な人柄が見てとれる」というような苦し紛れの説明がされていて、なんというかあそこまで切ないとか寂しいとか胸がぽっかりあいた感情を抱いた展示品は初めてだったかも。

もし、家定という人物がうつけでも天才でもないごくごく普通の感性の持ち主だったとしたら。自分にはそれほどの才覚はないと自覚をしている凡人だったとしたら。
あの掛け軸のようにもてはやされ、おだてあげられることが相当苦しかったのはなかろうか。(数時間前に月光・日光菩薩のうつくしいたたずまいを観ていたからなおさらそう思ったのかも)。
ドラマで殿がうつけでないことが判明したのはこの企画展が終わってからずいぶん経ったあとだったので、あの設定はフィクションと言えどずいぶんと救われた気持ちになったものです。
実際に彼がどういう人物だったのか、謎な部分も多いみたいですしね。だったらいい方向でイメージを残しておきたい乙女ごころよ(?)


「チューボー〜」でのバカ殿演技のせいであつひめを最初から観たくなっちゃいました。BSでもCSでもいいからどこかで再放送してくれないかなあ。*2



今日のいちまい
薬師寺展のときに国立博物館で撮ったさくら
ガラス窓で縁どられた風景は大きく描かれた絵のようで、今年みたさくらのなかでいちばんうつくしかったです。

*1:博物館に行くという話題で「あの月光菩薩は・・・とか、狛犬はああいうデザインになっているのか・・・」などとつぶやいていた。

*2:NHKがCSを持っているかよくわからないけど